「体が動かない。」
スタートアップ企業で業務をこなしていたものの、ある日突然、朝起きれなくなりました。
電車に乗ると過呼吸を起こし、気分転換に旅行をしても涙を流し、心と身体が限界でした。
会社に提出するため、メンタルクリニックへ診断書をもらいに行き、しばらく有給を使い休むことに。
有給が底を尽き、かといって復職できる状況ではなかったため、傷病手当金を受給することにしました。
「病気やケガで仕事ができない。」
「心に負担をかけすぎて、ある日いきなり身体が動かない…。」
といった予期せぬ出来事。
そんな時に使える制度が傷病手当金です。
実際に私も活用し、本当に助けられています。
制度の内容と受給方法についてまとめました。
私の経験が、誰かの力になりますように。
傷病手当金とは?
傷病手当金は、業務外の怪我や病気で仕事ができなくて、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されるお金です。
🔻実際の定義
支給できる条件
・業務外のケガや病気であること
→業務中のケガは労災保険になりますので、会社に相談しましょう
・勤務ができない状態であること
精神科などの病院で傷病手当金申請書(4枚目)に記入してもらいましょう
・連続する3日間の休業を含めて4日間以上仕事に就けなかった状態であること
3日間は有給を使用するのがおすすめ
・仕事を休んだ期間の給与支払いがないこと
事業主に傷病手当金申請書(3枚目)を記入してもらいましょう
退職後も傷病手当金を受給する方法
有給3日間を残し、全て使い切る。
まずは有休を使い切りましょう。
待機期間3日間分だけ残しておくと、無給の日を無くすことができます。
待機期間の連続する3日間を有給に当て、4日目から支給開始にする。
傷病手当金を受け取るには待機期間(連続する3日間)が必要で、4日目から支給開始になります。
待機期間に有給を当てることで、未収入の日を無くせます。
こんな風に、待機してから出勤してもOK。これを「まだら出勤」と呼んだりもします。⇩
「健康保険傷病手当金支給申請書」を作成し提出
傷病手当金を受給するには、健康保険傷病手当金支給申請書を作成する必要があります。
【記入する人】
1.2枚目→自分
3枚目→事業主(会社 or 社労士)
4枚目→精神科などの医者
1,2,4枚目を記入し、まとめて事業主に郵送。
3枚目を事業主に書いて頂き、合わせて健康保険組合へ郵送してもらいましょう。
→これで提出完了です!
(大きな企業だと人事労務担当者が対応する事が多いです。)
傷病手当金は、最大3か月まとめて申請が可能です。ただし、ウソの申請ではない事を示すために1ヶ月毎に申請書を提出&診察は隔週で行くのがベストでしょう。
1ヶ月ごとに提出すると、お金が手元に入るのも早くなるので、そういった面でもプラスです。
【10営業日後】傷病手当金が指定口座に振り込まれる
健康保険組合が受け取ってから10営業日程度で指定の口座に振り込まれます。
受給金額は、以下の式で計算されますが、だいたい月給の2/3程度です(月給30万であれば20万程度)。
『支給開始日以前の継続した12ヶ月間の平均給与 ÷ 30日 × 3分の2』
退職後も継続して傷病手当金を受け取るポイント
傷病手当金は以下2つを満たしていれば、退職後も継続して受け取ることができます。
①退職日までに継続して1年以上社会保険に加入していること (任意継続の期間を除く)。
②退職日に傷病手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること。
退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないため受給できなくなります。
傷病手当金受給中に働くのもNG✖
不正受給となり受け取れなくなる可能性がありますので注意してください。
退職後は傷病手当金をいつまでもらえる?
「支給開始日」から通算して1年6ヵ月です。「退職日」ではありません。
退職後に傷病手当金を申請する際は、傷病手当金申請書の3枚目(事業主記入用)は必要ありません。
1.2枚目を自分で記入し、4枚目を病院で記入してもらい、まとめて健康保険組合に郵送します。
退職後に一度でも仕事に就くと、傷病手当金支給資格が無くなり、それ以降は受け取れなくなりますので注意してください。
おわりに
毎月支払っている社会保険料。普段は高いなと感じてしまいますが、こんな風に役立つときもあります。日本の公的保険は優しいですね。
精神的に辛い時に、お金でも不安になると、どんどん追い込まれてしまいますよね。傷病手当金を活用して、お金の不安を取り除くことが、少しでも皆様の心の支えになれば嬉しいです!
最後までご覧いただきありがとうございました。
(おわり)
今回の記事はフォロワーさんの体験談を記事化しました。きっとこの記事が誰かの支えになると思います。
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